太陽光発電投資とは?始めるメリット・デメリットや設備の導入方法を解説

2025.1.23

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太陽光発電投資とは?始めるメリット・デメリットや設備の導入方法を解説

太陽光発電投資とは、一定以上の規模の太陽光発電設備を設置して、発電した電気を売って収益を得る投資方法です。

株式投資や不動産投資等の他の投資に比べて安定した収益を望めます。

ただし、現在の太陽光発電投資は過去に比べると高額な収益を望めるとは限らないので、始める前に内容を理解しましょう。

この記事では、太陽光発電投資について解説します。

太陽光発電投資とは?

太陽光発電投資とは?

太陽光発電投資とは、ソーラーパネルで発電した電気を電力会社に売却して利益を得る投資です。

一般的な住宅用太陽光発電は発電容量が10kW未満で、発電した電力を自家消費に利用し、余剰分を電力会社に売電できます。

一方で、太陽光発電投資に用いられる10kW以上の産業用太陽光発電設備のなかで、50kW以上の大規模な太陽光発電設備ならば、発電した電力をすべて売却可能です。

太陽光発電は、脱炭素社会への期待感や政府のエネルギー供給計画で重要視されているため、過去に例のない高額な長期固定買取制度や、金融機関からの融資の受けやすさ等があります。

「土地付き太陽光発電」とは?

土地付き太陽光発電とは、太陽光発電設備と土地を一緒に売買するビジネスモデルです。

すでに太陽光発電設備が設置されている土地を購入できるので、すぐに再生可能エネルギーで発電した電気を利用できます規模によっては全量売電が可能なので太陽光発電投資を始められます

また、土地と設備がセットになっているため、太陽光発電設備を設置するのに必要な初期費用の計画が立てやすいこともメリットです。

ただし、太陽光発電設備に加えて土地の購入も必要なので、初期費用はかなり大きくなります。また、太陽光発電は日照条件や周囲の環境によって発電量が変動するため、期待していたほどの利回りを得られないケースもあるでしょう。

太陽光発電設備を自己所有した場合、メンテナンスや維持管理費用も必要になるため、購入する際は必ず確認してください。

太陽光発電投資のメリット

太陽光発電投資は、太陽光発電設備を設置し、発電した電気を売電して利益を得る投資方法です。

始める場合、次のようなメリットを得られます。

  • ●FIT制度により一定期間安定した利益を得られる可能性がある
  • ●不動産投資より高い利回りを期待できる場合がある
  • ●環境に良く、時代に適している

上記を順番に解説します。

FIT制度により一定期間安定した利益を得られる可能性がある

太陽光発電投資が高い利回りを期待できる理由のひとつに、FIT制度とFIP制度があります。

FIT制度は、再生可能エネルギーで発電した電気を一定期間、国が定めた固定価格で電力会社が買い取ることを義務付ける制度です。

発電容量が10kW以上の産業用太陽光発電を2024年度に設置した場合、20年間は次の価格で固定されます。

発電容量 価格(1kWhあたり)
10kW以上50kW未満(屋根設置) 12円
50kW以上(屋根設置) 12円
10kW以上50kW未満 10円
50kW以上(地上設置)(入札制度対象外) 9.2円

FIP制度は、2022年度から始まった市場連動型の制度で、売電した際に一定のプレミアム(補助額)が上乗せされる仕組みです。市場の需要と供給のバランスによって売電価格は変動します。

太陽光発電投資は、FIT制度やFIP制度により、20年間は安定した利益を得られる可能性が高い投資方法です。

不動産投資より高い利回りを期待できる場合がある

太陽光発電投資のメリットとして、不動産投資より高い利回りを期待できる場合があることが挙げられます。

利回りとは、投資金額に対する収益の割合のことです。例えば、賃貸マンションのような不動産投資は、空室により収入が得られないリスクがあるのに比べ、太陽光発電は買取制度により安定した収益が見込めます。

また、国は再生可能エネルギーの普及を目的としたFIT制度とFIP制度を行っており、太陽光発電設備で発電した電気は20年間安定した価格で売ることが可能です。

つまり、太陽光発電投資は安定した利回りで、安定した収益を望める投資方法といえます。

環境に良く、時代に適している

投資は売買が成立しないと収益を得られません。どれだけ魅力的な投資商品を所有していても、売却相手がいないと宝の持ち腐れです。

そのため、時代に適した投資方法であれば、安定した収益を長く見込めます。

太陽光発電投資の場合は、再生可能エネルギーや太陽光発電設備が昨今の環境問題やエネルギー問題への解決策として期待されているため、一定の安定需要が見込めることもポイントです。

太陽光発電は環境に良く、時代に適しているため始めやすいです。また、長く続けられる投資なので、ぜひご検討ください。

太陽光発電投資のデメリット・注意点

前述したとおり、太陽光発電投資は不動産投資よりも高い利回りを期待でき、環境に優しく、時代に適している等のメリットが得られます。

一方で、次のようなデメリットや注意点があるので、気をつけましょう。

  • ●発電量が気象条件に左右される
  • ●設備導入には一定の初期費用がかかる
  • ●出力抑制の影響を受ける可能性がある

上記を順番に解説します。

発電量が気象条件に左右される

太陽光発電は、天気や環境によって発電量が左右されやすいです。

例えば、晴天が続く日は発電量が増えますが、雨天や曇りの日が多いと、発電量が減少します。

そのため、天候や日照時間によっては期待した発電量が得られず、売電収入が減少し、収益が下がるおそれがあります。

設備導入には一定の初期費用がかかる

次の表は、産業用太陽光発電設備を設置するのに必要な費用をまとめたものです。

初期費用項目 2013年度の費用の目安 2023年度の費用の目安
太陽光パネル 21.1万円/kW 9.5万円/kW
パワーコンディショナー 4.7万円/kW 3.0万円/kW
架台 3.8万円/kW 3.5万円/kW
その他の機器 3.7万円/kW 1.6万円/kW
工事費 7.3万円/kW 7.5万円/kW
設計費 0.2万円/kW 0.2万円/kW
土地造成費 0.3万円/kW 1.1万円/kW
接続費 0.8万円/kW 1.5万円/kW
値引き ▲3.6万円/kW ▲1.4万円/kW
合計 38.3万円/kW 26.5万円/kW

50kW以上の産業用太陽光発電設備を設置する場合、表の26.5万円/kWを基にシミュレーションすると、初期費用の目安は以下のとおりです。

  • ●26.5万円×50(kW)=1325万円

2013年度に比べれば太陽光パネルの初期費用は抑えられていますが、現時点でも太陽光発電設備は高額です。

また、土地付き太陽光発電を購入する選択肢もありますが、上記の設置費用に加えて、土地の購入費用も発生するため、さらに高くなります。

太陽光発電設備は規模を大きくすればするほど、初期費用が高くなる点に注意しましょう。

出力抑制の影響を受ける可能性がある

太陽光発電投資で大規模な太陽光発電設備を設置しても、出力抑制の影響を受けるおそれがあります。

出力抑制とは、一般送配電事業者の指示により、発電事業者が発電所の出力を抑制する行為です。

電力は需要と供給が常に同時に一致している必要があるため、電力消費量が少ない時期になると出力抑制を行って、バランスを保とうとします。

しかし、出力抑制は発電した電気を捨てる行為で、太陽光発電事業者には補償がありません。

つまり、出力抑制が発生すると、発電収入が減ってしまうことになります優先給電ルールに基づく対応として出力抑制を行う順番は決まっており、太陽光発電設備のような再生可能エネルギーが抑制されるのは4番目なので、可能性は低いものの、可能性はあると覚えておきましょう。

2024年以降に太陽光発電投資を始めるべき?

結論から申し上げると、太陽光発電投資を今から始めるのはおすすめできません
一方で、投資目的ではなく、電気料金削減や脱炭素の目的であれば、今すぐ設置すべきです。

投資をおすすめしない理由は、太陽光発電投資で安定した収益を見込めるFIT制度の売電価格が、年々低価格傾向にあるためです。

直近の1kWあたりの売電価格は以下のとおりです。

出力 2023年度
4月~9月
2023年度
10月~3月
2024年度 2025年度
10kW以上50kW未満(屋根設置) 10円 12円 12円11.5円
50kW以上(屋根設置) 9.5円 12円 12円 11.5円
10kW以上50kW未満 10円 10円10円 10円
50kW以上(地上設置)(入札制度対象外) 9.5円 9.5円9.2円8.9円

上記の理由により、2024年以降に太陽光発電投資を始めることはおすすめできません。

企業は太陽光発電設備を設置するべき?

太陽光発電には、投資以外にも次のようなメリットが得られます

  • ●電気料金の削減が期待できる
  • ●非常時の電源を確保できる
  • ●脱炭素に貢献できる

企業の支出を減らし、万が一の事態に備えられるメリットがあるので、自社に太陽光発電設備を導入するか検討しましょう。

上記を順番に解説します。

電気料金の削減が期待できる

太陽光発電設備で発電した電気は自家消費や蓄電、売電に利用できます。

利用方法 概要
自家消費 発電した電力を自社設備や自宅で消費する利用方法
電力使用量を減らせる
蓄電 発電した電力を蓄電池に溜めておき、別のタイミングで消費する利用方法
電力使用量を減らせる
売電 発電した電力を電力会社に売却する利用方法
売電収入を得られる

電力の利用方法は異なりますが、結果的には電力会社からの電力使用量を減らせるため、太陽光発電設備を導入すると企業の電気料金の削減に役立ちます

非常時の電源を確保できる

自社の敷地に太陽光発電があれば、災害で大規模な停電が起きても非常時の電源確保が可能です。

例えば、停電によって工場が停止したり、オフィスのエアコンや空調、照明が利用できなくなったりするトラブルを防げます。

さらに、蓄電池と組み合わせれば、太陽光発電ができない時間帯でも給電が可能になるため、事業の再開がスムーズに進むでしょう。防災力を高めたい企業には、太陽光発電設備や蓄電池の設置をおすすめします。

脱炭素に貢献できる

太陽光発電は二酸化炭素を排出しない再生可能エネルギーのひとつで、クリーンな発電方法です。

現在、温暖化対策への取り組みが重要視されており、企業も脱炭素化を求められています。

太陽光発電を導入した企業は二酸化炭素の削減に貢献でき、取り組みを実施していると内外に向けてアピールすることができます

アピールによって、投資家から評価され、新たなビジネスチャンスが生まれる可能性もあるので、導入していない企業は検討しましょう。

企業が太陽光発電を導入する方法

企業が太陽光発電を導入する方法は、自己所有型、PPAモデル、リース型の3種類があります。次の表は、3種類の方法を比べたものです。

導入の種類 概要 初期費用 管理・維持
自己所有型 太陽光発電設備を自社で設置して電気料金を削減したり、売電収入を得たりする方法 必要 自社で行う
PPAモデル エネルギーサービス事業者と契約を結んで太陽光発電設備を設置してもらい、割安で電気を購入する 不要 事業者が行う
リース型 太陽光発電設備をリースで導入し、電気料金を削減したり、売電収入を得たりする方法 不要 事業者が行う(事業者・契約によります)

企業が太陽光発電を導入するならPPAモデルがおすすめです

PPAモデルは、事業者と契約(PPA)を結び、太陽光発電設備を設置してもらう導入方法です。

初期費用をかけずに太陽光発電設備を設置でき、維持管理・メンテナンスの追加コストや手間がかかりません。

ただし、初期費用等がかからない分、契約期間等の縛りが必ず発生する点は覚えておきましょう。

太陽光発電設備を自己所有する場合のデメリットを減らせるので、設置を検討している企業はPPAモデルをチェックしましょう。

PPAで太陽光発電を導入するなら関西電力の「太陽光発電オンサイトサービス」がおすすめ

PPAで太陽光発電を導入するなら関西電力の「太陽光発電オンサイトサービス」がおすすめ

関西電力では、初期費用ゼロで太陽光発電設備を導入可能なオンサイトPPA 「太陽光発電オンサイトサービス」を提供しています。

オンサイトPPAとは、電気を必要としている企業の敷地内に事業者が太陽光発電設備を設置して、運用や維持管理を行うサービスです。

関西電力の「太陽光発電オンサイトサービス」の場合は、関西電力グループが太陽光発電設備の設置から運用、メンテナンスまでをワンストップで行います。

月々発電量に応じたサービス利用料は発生しますが、太陽光発電設備の設置費用等の初期費用や追加の維持コストはかかりません※1。契約期間は20年ほどです※2

他にも、オプションで余剰電力の売電が選べます。電力使用量が少なくなるタイミングで余った余剰電力を売電すれば、電気料金のさらなる削減効果を得ることが可能です

関西電力の太陽光発電設備は、広い敷地がなくても、工場や倉庫、大規模店舗の屋根や900㎡以上の折板屋根、カーポート、遊休地等、さまざまな場所に設置可能なので導入を検討する企業はご相談ください

「割引プラン」 による節約や、補助金の申請をサポートする 「補助金サポート」 等、お客さまにあわせて最適なプランをご提案します※3

ただし、オンサイトPPAのご提供には、設置目的場所の面積が900㎡以上必要なため、条件に合わないお客さまは、設置場所不要の太陽光発電 「コーポレートPPA」をご検討ください。

  • 故障時に保険金額を超える修理をお客さまが希望される場合等、追加料金が発生する場合もございます。
  • 途中解約には違約金が発生します。
  • 割引プランは、補助金との併用はできません。

太陽光発電投資は高利回り・低リスクの投資方法

太陽光発電投資は、発電した電気を売却して収益を得る仕組みの投資です。

国は、太陽光発電で発電した電気を一定期間、一定価格で電力会社が買い取ることを保証しています。過去の買取価格が高額だったため、太陽光発電は魅力的な投資方法として注目されていました。

しかし、現在は買取価格が減少しているため、発電した電気を 「売る」 よりも 「自家消費」 したほうがメリットは大きい状況です。そのため、投資目的で太陽光発電を導入する際は、事前に買取価格を確認し、そのメリットを慎重に判断することが重要です。

太陽光発電設備の導入に際して、初期費用やメンテナンスの負担を抑えたい場合は、PPAモデルの活用をおすすめします。

関西電力のオンサイトPPA「太陽光発電オンサイトサービス」では、設置場所や必要な設備をコンサルティングし、幅広いラインナップからお客さまに最適な提案を行います。

また、導入から運用までを一貫してフォローし、月々の発電量に応じたサービス料金のみをいただく仕組みなので、電気料金の削減に役立つでしょう。

自社の敷地内に太陽光発電を導入するなら「太陽光発電オンサイトサービス」 を、設置スペースを持たない場合は 「コーポレートPPA」 をご検討ください。

近藤 元博(こんどう もとひろ)

監修者 近藤 元博(こんどう もとひろ)

愛知工業大学 総合技術研究所 教授

1987年トヨタ自動車に入社。分散型エネルギーシステム、高効率エネルギーシステムならびに新エネルギーシステムの開発、導入を推進。あわせて生産工程から排出する廃棄物や、使用済み車両のリサイクル等幅広い分野で廃棄物の排出削減、有効利用技術の開発導入を推進。
「リサイクル技術開発本多賞」 「化学工学会技術賞」 他エネルギーシステム、資源循環に関する表彰受賞。2020年から現職。産学連携、地域連携を通じて資源問題、エネルギー問題に取り組み中。経済産業省総合資源エネルギー調査会 資源・燃料分科会 脱炭素燃料政策小委員会 委員他

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