災害時の安否確認は、まだ“電話”で対応しますか?
そのリスクと解決策をご案内いたします。
2024.10.1
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災害大国日本では1995年の阪神・淡路大震災以降、多くの企業が災害対策に取り組んできました。しかし2011年の東日本大震災では従業員の安否確認ができず、事業活動を復旧・継続する担い手がいない状況となりました。その影響もあり、東日本大震災での間接倒産数は、震災後10年間の累計で2,000社を超えています※1。
今回は、災害後、早急な事業継続に不可欠な従業員の安否確認についてご説明します。
※1:帝国データバンク「『東日本大震災関連倒産』動向調査(2021年)」
注目を集める安否確認システム。半数近くの企業が導入済み
災害時、従業員の安否を迅速に把握することは、企業にとって最重要事項です。帝国データバンクが2022年5月に行った調査※2によると、「事業中断リスクへ備えた実施・検討内容」として、「従業員の安否確認手段の整備」が1位で、大企業では77.5%、中小企業でも63.6%が実施、または検討中と回答しており、安否確認手段について高い関心を持っていることがわかります。
従業員の安否を確認する主な方法として、社内の緊急連絡網などを用いた「電話」によるものと、「安否確認システム」を活用した方法があります。東京商工会議所の調査※3では「安否確認システムをすでに導入している」という企業は約49%と半数近くにのぼっています。なぜ半数近くの企業が電話ではなく、システムを導入して安否確認を行っているのか。それは「電話」による安否確認の場合、大きなリスクが潜んでいるからです。
※2:帝国データバンク「事業継続計画(BCP)に対する企業の意識調査(2022年)」
※3:東京商工会議所「会員企業の防災対策に関するアンケート2022年調査結果」。調査期間:2022年3月25日~4月13日、回答件数:1,102件
電話による安否確認に潜む、大きなリスクとは
それでは実際に、安否確認を電話で行うことに、どのようなリスクが発生するか、災害発生前・発生時・発生後のフェーズに分けて考えてみましょう。
●災害発生前
- ①従業員の緊急連絡先の集約・更新を担当者が手作業で行うため、管理に手間がかかることに加え、更新漏れが発生する。
- ②連絡先の保管はエクセルなどのデータか紙が主流で、緊急時にすぐに取り出せない、もしくは消失する。
●災害発生時
- ③災害発生に気づかず連絡が遅れる。(拠点が複数地点に跨る場合など)。
- ④電話がつながらない、あるいはつながりにくくなり、確認作業が滞る。
- ⑤安否確認の担当者自身が被災した場合、安否確認ができず、集約作業・状況把握が遅れる。
- ⑥安否確認の担当者が、一人ずつ順に連絡していくため、連絡作業に時間がかかる。
●災害発生後
- ⑦安否情報の集約が手作業のため、従業員の安否結果や出勤可否などの集約に時間がかかる。
- ⑧返信のない従業員の抽出・再連絡も手作業のため、確認作業に時間がかかる。
- ⑨従業員家族の安否確認が、従業員本人任せとなり、従業員家族の動向を把握できなくなる。
電話による安否確認は基本的に「人力による手作業」であり、担当者にとっては日常業務に加え、さらに負担がかかることにも留意する必要があります。また、確認漏れなどのヒューマンエラーが発生する可能性もあります。
専用のシステム導入で、電話による安否確認リスクを解決
安否確認システムは、電話での安否確認が抱えるさまざまなリスクを解決するため開発された、専用のシステムです。では実際に、安否確認システムを導入することで、電話による安否確認のリスクを解決することができるか、下表でご説明します。なお、安否確認システムには有料のものと無料で使えるものがあり、この違いについてもあわせてご紹介します。
安否確認システムの機能、メリットはシステム提供会社により異なりますが、上表のとおり有料システムは、災害時の使用を想定して設計されているため、先にご紹介したリスクを解決することができます。
例えば、正確な災害情報を把握するために、気象庁と連携して災害情報をタイムリーに知らせる機能が有料システムの特長です。さらに、従業員の連絡先などのデータ管理、メール送受信、集計などを行うデータセンターを海外、あるいは国内の離れた複数の場所に設置することで冗長性を確保するなど、全国的な大災害でもダメージを最小限で食い止められるよう工夫されています。
また、災害時だけでなく、従業員に対する一斉連絡やアンケート、会議出欠確認など、通常業務にも活用できることも魅力のひとつです。他にもメール配信だけでなく、LINEなどの使い慣れた通信ツールで情報配信できる機能など、システム提供会社ごとにさまざまな機能があります。
サンプルでシステム提供会社3社の料金比較表を掲載しますので、ご自身の会社ではどれくらいの費用で導入できるかを確認する目安にしてください。
まとめ
首都圏直下型地震や南海トラフ地震など、いずれ襲ってくる大規模災害を想定し、BCPを策定している企業も多いと思います。しかし、BCPを入念に策定したとしても、従業員の安否が確認できなければ、BCPも機能しなくなります。企業の基幹は「人」、そのための安否確認は、電話で対応できるとお考えではありませんか。先に記載したとおり、電話による確認では、災害時はもちろん、その前後においてもリスクが多く、事業継続に大きな支障をきたすことが考えられます。有事の際に備えるなら、安否確認システムの導入を、BCP対策の一環としておすすめします。
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