ドライバーの安全運転と法令順守を重視
当社ヤマダデンキのリフォーム事業部では、お客さまへの販売や提案・アフターケアなどを行う営業担当者、またお客さま宅での設置・施工を行う担当者を含め、全国で約1,000名近くが日々業務で車を使用しています。こうした社員の安全を守ることは、当社にとって最も重要な責務の一つです。ヤマダホールディングスグループとして、働くすべての社員が安心して働ける労働安全衛生環境の維持向上と健康の増進が企業存続の基盤をなすものと考え、「安全衛生方針」 に基づいた企業活動を行っています。とりわけ交通安全は、社員の命に関わるのみならず、他の人や家族の命、人生にも甚大な影響を及ぼす重大な問題です。加えて、交通事故や違反は、企業の信用にも関わるため、ドライバー一人ひとりの安全運転と法令順守を何より重視しています。
導入のきっかけは、事故・違反の再発防止
これまで、各職場での個別指導や集合研修、交通安全対策を講じ、徹底して交通違反・事故防止に取り組んできましたが、事故・違反者が一定数から減らないこと、特に一度事故・違反を起こした社員の再発が多いことが課題となっていました。対策を講じたいと思っていましたが、ドライバー毎に違反の内容や発生率が異なるため、1人ひとりのドライバーに効果のある対策が必要だと感じていました。
そんな時、関西電力さんから新サービス 「関電 Safety Support Service(関電SSS)」 をスタートさせると提案を受けたことが、関心を持ったきっかけでした。
分かりやすさ、手軽さ、低コストが導入の決め手
導入の決め手は、3点ありました。
1点目は、分かりやすさです。ドライバーの操作は、運転時にアプリを開くだけなので、シンプルで使いやすく感じました。また、管理者としても、ドライバー毎の運転スコアを一覧で確認することができる上、走行速度・ブレーキ操作・一時停止など、どこでどのような運転がなされたか、簡単に見ることができたことが魅力でした。
2点目は、導入の手軽さです。スマートフォンにアプリをダウンロードするだけなので、ドライブレコーダーのように設置・取り換えが必要なく、容易に導入できました。また、当社では、各店舗で社員が複数の車両を共有して使用しているため、例えばドライブレコーダーを取り付けた場合、ドライバーが誰だったのかを特定するのに手間がかかる課題がありました。スマートフォンで運転状況を記録できる「関電SSS」なら、手軽にドライバー毎の運転状況を把握することができました。
3点目は、コストです。いくつかのテレマティクスサービスを検討しましたが、ドライブレコーダー等を全車両に導入することに比べて、圧倒的にコストが安かったことも魅力でした。
事故・違反者を中心に導入することで、ドライバーの理解も獲得
実際に 「関電SSS」 を導入するにあたって苦心したのが、現場のドライバーの理解を得ることでした。毎日アプリ起動、リアルタイムで所在地を知られることに対する抵抗感などから、非協力的なドライバーも少なくありませんでした。
しかし、全ドライバーに導入するのではなく、事故・違反を起こした社員を中心に 「関電SSS」 を活用したことで、ドライバーの理解を得ることができました。対象者には、数か月程度、「関電SSS」 を利用してもらい、運転スコアが良化すれば 「卒業」 とする運用にすることで、ドライバーにも受け入れていただき、社内に展開することができました。
運転教育・指導にも活用
運転指導・教育の観点でも、非常に効果を感じています。その1つが、ドライバー毎の運転特性を 「見える化」 できたことです。例えば運転スコアの低いドライバーの運転履歴を確認したところ、走行中に何度も急ブレーキをかけている等、ドライバー本人に自覚のないまま、運転を行っていたことが明らかになりました。そうした個々の運転特性を見える化することで、事故・違反につながりかねない危険運転について、ドライバー自身に自覚を促すことが可能になりました。
また、管理者にとっては、各ドライバーのデータを研修・教育に活かせる点が非常に有用だと感じています。事故・違反者を対象に、毎週研修を行っていますが、各ドライバーの特性に即した指導が可能になり、指導効果が格段に高まりました。またデータを示しながら具体的にコーチングすることで、受講者の納得感・理解度も上がっています。
事故・違反の再発が激減
「関電SSS」 を導入した結果、ドライバーの事故・違反の再発数は、ほとんどゼロに近い数にまで減少しました。「関電SSS」 の導入以前は、事故・違反を起こしたドライバーが、2回目3回目と繰り返すことが多かったため、事故防止効果を実感しています。
今後の展望
管理者の問題意識によって、「関電SSS」 の活用範囲は今以上に広がると感じています。例えば、「関電SSS」 には、ドライバーが現在どこを走行しているのか、リアルタイムにわかる 「リアルタイムビュアー機能」 もあります。この機能を活用することで、お客さまからご連絡を受けた際、お客さま宅に最も近い位置にいるドライバーに対応に向かわせるなど、お客さまサービスにも活用が広がると考えました。
関西電力さんには、「関電SSS」 に留まらず、電気料金の削減などさまざまな課題の解決にご協力いただいています。今後も、社会の変化を的確に捉え、さまざまなソリューションを提案していただけることを期待しています。これからもビジネスパートナーとして相乗効果を挙げられるよう、協力関係を深めていきたいと考えています。