社会医療法人生長会 阪南市民病院さま

業務用エコキュート導入によって、不便な問題が解消。予想外のコストメリットには驚きました。

ガスによる既存の蒸気ボイラと、電気式業務用エコキュートを組み合わせた、給湯系統のハイブリッド化によって、コスト削減と高い利便性を実現。

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社会医療法人生長会 阪南市民病院さまは、21の診療科に185の病床を備えた、泉州南部の公的地域中核病院。一般急性期医療などのほか、必要な2次救急医療も24時間365日担当しています。
かつては阪南市立病院でしたが、2011年4月に指定管理者制度を導入して経営母体が変更。「社会医療法人生長会 阪南市民病院」となり、安全で良質な医療を提供する総合病院として、地域の人々の健康をサポートしています。今回は導入当時総務課課長であった、現在地域連携室室長の小川貴士さまに、給水余熱によるハイブリッド給湯システム導入についてお話を伺いました。
※公の施設の管理・運営を、地方公共団体が指定する法人やその団体に代行させることができる制度。

社会医療法人生長会 阪南市民病院さま 設備・機器導入のポイント

  1. ハイブリッド給湯システム導入により省コストを実現
  2. 夜間のボイラ運転を停止して階下の病室への稼動音を抑制
  3. 業務用エコキュートの導入により、早朝の給湯がスムーズに

電気・ガスの契約先を一本化し、省コストを実現

地域連携室 室長
小川 貴士さま

2013年に病院を新築、私はその翌年の2014年に阪南市民病院に赴任してきました。当時はまだ病院運営を滞りなく進めることに専念しており、設備について検討し直す余裕はなかったのですが、それまでコスト削減を重視する部署にいたこともあり、病院全体で経費に占めるウエイトの高い光熱費の削減ができないかと考えていました。
2015年に関西電力さんが電気料金の値上げを発表されたこともあり、電力の購入先やコージェネレーションの導入を検討しました。コージェネレーションは補助金制度があったものの、イニシャルコストが高額であることと設置場所の補強が必要であったため断念しました。また、2016年になって翌年4月からガスも自由化になるというニュースが入ってきました。

関西電力さんもガス市場に参入されるということでしたので、これを機会に電気とガスの契約一本化をしようと考え、見積もりを依頼しました。
実は、2015年に電気料金が値上げになった時点で、関西電力さんとのお付き合いはおしまいかなと思っていたんです。
でも、電気とガスの一本化の見積もりを非常に頑張っていただきまして、結果、電気・ガスともすべて関西電力さんにお願いすることになりました。

エコキュート設置はメリットばかり。導入もすぐに決定しました

水温を55度で維持できる貯湯槽(2基)

当院はガスのボイラ2基を上層階の機械室に設置して、すべての給湯をまかなっていたのですが、機械室の階下の入院患者さまから、夜間のボイラ運転音が気になるという声が出ていました。そこでガス代の削減も兼ねて、夜間のボイラ運転を停止したところ、夜勤明けの医師が朝5~6時にシャワーを浴びようとしたときに、お湯がでないという事態になってしまったんです。特に冬場は貯めていたお湯が冷えてしまっていたようで、非常に不便を感じていました。

電気・ガス契約一本化の際に、このことについて関西電力さんに相談したところ、提案いただいたのが「給水余熱によるハイブリッド給湯システム」です。病院内の給水系統に、電気式業務用エコキュートを組み合わせるというものでした。
夜間はボイラを2基とも停止させてエコキュートを利用することで、夜間の音の問題も、明け方の給湯問題もすべて解決し、さらにボイラを設置している機械室も涼しくなり、コスト削減にもつながるということでした。

給水予熱によるハイブリット給湯システムについて

さらに、エコキュートの設置場所を屋内の機械室にするというアイデアを提案いただきました。当院は屋内に機械室があるため、屋外に設置するよりも冷風が機械室の温度を抑えることになり、熱源機の効率も上がるということも魅力に感じました。さらに補助金(2017年二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金)で費用の半額が賄えるということでしたから、これを導入しない手はないなと。生長会本部での決定も、関西電力さんが作成協力いただいた資料で説明し、スムーズに理解を得られ決定しました。

2017年1月に提案いただいて、設置は9月。補助金の申請に間に合わせるため急いだという理由もありますが、メリットがあるのに1~2年先延ばしにしていたら、逆に損をすることになりますから、決断は早かったです。当院にデメリットになるような事柄は全くなかったですし、信頼できる関西電力さんだから、ということも大きかったですね。

予想外のコストメリットに驚きました

地域連携室 室長
小川 貴士さま

設置してから9ヶ月ほどたちますが、現在は非常に満足しています。
エコキュート設置の際には、ファンが回る音・振動が階下に伝わらないよう、念のため耐震ゴムを敷いていただくなど対策していただいたこともあり、今のところ入院患者さまから音に関する苦情はありません。
医師からも「お湯が出なくて困る」という話は聞いていないですし、機械室の作業員にとって室内が涼しくなり作業環境が改善したのもよかったです。

運転開始から約7ヶ月間の稼動実績を拝見しましたが、予想外の数字でした。実はコストメリットについては正直さほど期待しておらず、提案書でいただいた金額の8割ほどを達成できればいいかなと思っていました。というのも、すでに音や利便性の面で大きなメリットを感じていたからです。しかし実績を見ると、提案書では12ヶ月で達成できるとされていた数字が、7ヶ月でほぼ達成。驚きましたね。
こうやってコストでも説得力がでて利便性もかなりあがったことは、他の施設にも伝えたいと思っています。実際、私は関西電力さんのことを他のグループ病院にもPRしているんです。一見、「こんな小さな機械を入れただけで電気代が下がるなんて」と、胡散臭く感じることもあると思うんですが、実際当院ではコストも利便性も上がっていますからね。
次にコスト削減を検討するとしたら太陽光発電の導入でしょうか。実際に導入するには屋上の補強などクリアしなければならない課題はあるのですが、その際もぜひ関西電力さんに相談させていただきたいと思っています。

担当者のコメント

大阪南法人営業本部
藤井 孝蔵さま

この度は、弊社提案をご採用いただき、心よりお礼申し上げます。
今後も、日頃のコミュニケーションを大切にしながら、社会医療法人生長会阪南市民病院さまを始め他のグループ病院さまへの省エネ・省コスト化について、弊社の持てるリソースをフルに活用し最適なご提案を行って参ります。

社会医療法人生長会 阪南市民病院さま
社会医療法人生長会 阪南市民病院さま
住所
大阪府阪南市下出17
電話
072-471-3321(代)
H P
https://www.seichokai.or.jp/hannan/

阪南市・泉南市・岬町における公的地域中核病院として、一般急性期医療や救急医療などを担う総合病院。阪南市立病院が指定管理者制度を導入し、経営母体を変えて2011年4月より「社会医療法人生長会 阪南市民病院」になった。総合診療科をはじめ、消化器内科、小児科、外科・消化器外科、リハビリテーション科など21の診療科をもち、病床数は185床。津波対策として2階以上に医療機能を配置するなど、災害時の医療提供にも備えている。

掲載の情報は2018年11月現在のものです。
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